第一章 集団の成立
第一節 他者の発見
一 私は私と行動を共にする他者を発見し彼と二元的な関係を結ぶ
二 私の二元的関係の鍵を彼だけが握るため関係はたえず挫折する
第二節 アジテーターと大衆
一 私は二元的関係を他者たちにまで拡張して私の仲間を発見する
二 他者たち大衆の相互の関係を媒介する私はアジテーターとなる
第三節 集団の成立
一 アジテーターの言葉は私の身柄から離れて私の集団を統合する
ニ 集団内をとび交う言葉は私たちの共同観念の成立を告げている
第四節 言葉
一 言葉の生産現場ではアジテーターの言葉がすなわち集団である
二 私の言葉を通じて形成された集団は言葉を通じて私を超越する
第五節 遍歴への出発
一 反乱のなかから私は私自身をたずねて政治の遍歴へと出発する
第二章 反乱世界
第一節 熱い集団
一 私たちの肉的親しさのうちで最初の集団—共同体が経験される
第二節 共同観念の爆発
一 暴力を通じて私の共同観念は現実の集団から世界へと逸脱する
ニ 世界思念によって私は私の集団にエネルギーと矛盾を充塡する
第三節 反乱世界
一 神話世界の聖別—私は空間の制約を忘れ絶対的なここに生きる
ニ ユートピア現前—私は時間の命令を忘れ絶対的ないまを生きる
第四節 反乱世界の統一性
一 私は反乱世界のシンボルを体現しカリスマとして神格化される
ニ 反乱世界のシンボルは共同規範として私をこの世界に統合する
第三章 政治的経験
第一節 敵の再発見
一 反乱世界に侵攻してくる敵との敵対を私は観念的に絶対化する
ニ 目前の敵と絶対化された敵とに私の敵のイメージは二極化する
三 私の敵を否定的な媒介として私は再び私たちの集団を発見する
第二節 政治的経験
一 私は敵対関係を集団に内面化し私の政治的経験史を始動させる
二 絶対的な敵に直面したいま私たちは集団へと絶対的に結束する
三 私たちの団結が集団を分裂させ反乱世界は諸集団へと分化する
第三節 政治家としてのアジテーター
一 私は政治的経験の主宰者となり集団内部をはじめて差異づける
第四節 政治的経験の諾契機
一 個々の敵相手では私の古い政治経験がなお私の集団を統制する
二 最初の敵に直面し集団の反省は内部分裂と私の追放をもたらす
三 戦闘にのぞんで敵の像は二極分解し私の政治的経験も四散する
第五節 大衆の政治同盟
一 私の集団は一つの名前をもち他の集団に伍して運動へ出発する
二 私は以前の大衆ではないがまだ階級的な名前を発見していない
第四章 政治的意識の飛躍
第一節 政治的意識の経験史
一 私は政治の経験史を私の集団的意識の経験史として追っていく
二 私はわが手を焼いてとびのくことによって火の扱いかたを学ぶ
第二節 集団の動力学
一 私の集団の再形成と諸集団の動力学の展開が私の意識を変える
ニ 味方の分裂で身を裂くことをつうじて私は古い身柄を脱皮する
第三節 「意識変革」
一 私にはひとの心はわからない——しかしひとびとの心はわかる
二 私は私の自己変革の問題を倫理から政治のレベルへと奪還する
第四節 集団討論
一 集団の討論を通じて私は集団意志飛躍の内面的過程を経験する
二 私の発言は組織内部の異相を挑発し集団意志の分裂を発見する
第五章 政治集団の展開
第一節 政治結社から大衆政治同盟へ
一 反乱を準備する私の結社は一地方の大衆の政治同盟に土着する
二 土着化した私の結社は大衆集団化しその矛盾をおしつけられる
第二節 政治結社の分裂
一 大衆政治同盟の内部矛盾に耐ええない結社は反乱の圏外に去る
二 私の同盟への参加は結社の解消ではなくその再生の契機となる
第三節 幻の政治結社へ
一 闘いの戦略的課題を直視して私は集団を指導すべき位置に立つ
二 幹部団は戦略課題をめぐり激論し私の集団は戦闘へと結集する
三 戦略的な課題が指導部を再形成しえたとき私の集団は飛躍する
第四節 政治指導の発想
一 分裂は集団の内部矛盾の外化であり指導はその再内面化である
二 指導とは制度ではない—集団の将来にたいする私の憂慮である
第六章 政治権力
第一節 集団の制度
一 私は集団の心的な統一性に客観的な形を与え集団を制度化する
二 私の生みだす制度は集団の客観的統一性として私に帰ってくる
三 制度化によって私の集団は他の集団にたいする公的な力となる
第二節 階級の発見
一 集団の制度化は政治における客観的なものの宿命を露呈させる
二 私は集団の制度化において私の集団の階級的性格を再発見する
三 私は政治の経験史を階級形成と階級闘争の歴史として総括する
四 客観的なものの宿命に直面して私の闘いは悪戦の模様を呈する
第三節 集団の権力
一 制度化を介した集団の統一によって私の集団は権力を行使する
二 私の権力は集団内面を自ら組織化する能力と権威—自治である
第四節 コミューンと二重権力
一 コミューンで私は反乱世界を政治的に再建し自治を開花させる
二 私はコミューンの自治を新しい国家のモデルとまでおもいこむ
三 コミューンの自治は対岸に最後の敵として国家権力を発見する
第七章 党
第一節 プロローグ——遠方から
一 政治的な遍歴の途上にある私のところへ遠方から党が帰還する
第二節 戦術の党
一 党の戦術的な介入をつうじて私は党に出会い党の呼び声を聞く
二 私の政治的経験史の展開が唯一の党ではなく多くの党をまねく
三 政治における客観的なものの宿命が戦術としての党に集中する
第三節 固有の党
一 党は形成されるものではなく私の反乱の以前にすでに存在する
二 党とは私の政治的経験史にたいする「組織された不信」である
三 党内闘争——「組織された不信」は党の中心部にもむけられる
四 私党——「ここに革命はない」からこそ党は革命へと促される
五 ここに革命はないという場所に耐えることが党の意識性である
第四節 党の実現
一 党は私たちを指導するのではなく私と対象的実践の関係を結ぶ
二 党は戦術的経験の蓄積を戦略として客観化し党の作風をつくる
三 私の経験が党を実現しそのつど党は私の経験史へと解消される
第五節 大衆の党
一 大衆の党は革命にさいしかえって固有の党の宿命を露呈させる
二 大衆の党は固有の党を否定するが党の宿命までは解消しえない
第六節 エピローグ——国家へ
一 党はその実現のはてに党による国家権力奪取の課題に直面する
二 国家権力を奪取した党と私はあらためて国家へさしむけられる
終 章 回帰——政治と倫理
第一節 倫理的なものの反乱
一 政治の技術化のはてかえって倫理的なものの反乱が経験される
ニ 大衆の登場が倫理的なものを政治化し政治を倫理と混淆させる
三 失われた自己をもとめて私は政治へと促され政治を倫理化する
第二節 政治的なものの倫理
一 政治的経験の一面性に耐えるところに政治の固有な倫理がある
二 徹底的に政治的であることに耐えるところに政治の倫理がある
引用文献について
あとがき
索 引
